第38章 “キミ”という存在
「あぁ……そんな……ダ……メ……」
豊満な乳房を自身の手の中におさめ、薄紅色のを先端を愛撫すればその動きに合わせてタリアは嬌声をあげる。
その嬌声がモブリットの鼓膜を痺れるように刺激をすると、全身にゾクリとした感覚が走り、もう順序など考えていられなくなってしまった。
ロングドレスの裾をたくしあげ、下着を脱がせるとキレイに形を整えてカットされている陰毛が秘部を覆っている。
迷わず手を伸ばし割れ目に指を這わせると、ソコは十分に潤っており、タリアの身体はビクリ反応を示すが、モブリットは一応の断りを入れた。
「すまないタリア……俺はもう女の抱き方なんか忘れてしまった情けないヤツだ。いつも君にしてもらってばかりだったからうまくできるか分からない…イヤになったら言ってくれ……」
「モブリット……」
自分は只の娼館の娼婦だ。
何故、何故そんなに気を遣うのだ。
娼館の女など、金を払って好きに抱き潰せばいいではないか…
今日のモブリットは本当に変だ。
自分を想い人と重ねようとせず、自分に気を遣い、自らの腕で抱こうとしている。
…やめてほしい。
…やめてほしい。
そんな事をされたら勘違いしそうになってしまうからやめてほしい。
モブリットが自分を1人の女として見てくれているのではないかと、勘違いしてしまいそうになる……
でも、自分はそんな興を殺(そ)ぐような事を言える立場ではない。
「……そんなの気にしないでモブリット……そのまま私の中を愛撫して……」
そう答えるので精一杯だった。
「ありがとう……タリア……」
モブリットの返事と同時にツプリと音を立ててゴツゴツと骨ばった指が侵入し、激しく往来をする。
「あぁ…!!あぁ……はぁん!!モブリッ…ト…」
加減の無い指での愛撫はタリアを正直に善がらせた。