第37章 今生きて、此処にいる
「なんだよ奇行種…釣れないな。」
リヴァイは残念そうにため息をつくと、自身も書類の山をクレアの隣に置き仕事を始めた。
「おいクレア、今日この分が全部終わったら抱かせろよ。」
そのあまりにもストレートな要求に、まだ赤みの引かない頬がまた上気してしまう。
「お、お、お言葉ですが兵長!!あんなにあるんですよ!2人でやっても何時までかかるか……」
クレアは後ろを振り返りリヴァイの机にまだ山積みになっている書類の山を指さしながら反論をしてみせた。
「問題ない。お前とベッドに入れるなら夕飯までに終わらせてやるよ。だから約束だ、夜は逃げんなよ。」
「…………………うぅ。」
悪い笑みで視線を合わせられ触れるだけのキスをされてしまえば、もう先程の威勢はどこへやら。
何も答えることができなかった。
「その沈黙は肯定だな。」
リヴァイの顔はしたり顔だ。
新兵を中心に犠牲を多く出した今回の壁外調査。
新たな班編成などやることは山積みだが、目の前で仲間を失った新兵達の心の回復が、1日も早からんことをクレアは只々強く願った。