第34章 その数、無制限
「あ、あ、あの!これってまさか……」
目の前に広がる惨状に思わず目を疑ってしまう。
しかし、本来の役割を果たさなくなってしまっている下着と、その周りから伝わってくるひんやりとした感覚。それは間違いなく自分がやってしまった事だろうと、クレアは嫌でも痛感させられてしまった。
「あぁ、お前が善がり狂って噴き出したもんだ。しかも、お前の上官から貰ったプレゼントを使ってな。帰ったら礼を言うんだな。」
クレアの中から指を抜いたリヴァイは意地悪に笑って見せると、クレアを善がらせたゴム状の物体の先を口に咥えてサッと外した。
「そ、そんなこと…」
「お前がここまで、噴いて善がったなんて言ったらあのクソメガネの事だ。狂喜乱舞して喜ぶだろうな。」
「兵長!そ、それは絶対に言わないで下さい!恥ずかしすぎて死んでしまいます!!」
どんな形であれ贈り物を貰った以上礼を言わなくてはならないのは当然のマナーであるが、さすがにこんな事実まで言えるはずなどない。
「さぁ、どうだかな…」
「………………………うぅ…」
しかし、リヴァイはどこ吹く風、なんとも歯切れの悪い返事だ。クレアは何も言い返すことができずに、ジタバタと唸ることしかできなかった。
「まぁ、今夜はこれからゆっくり楽しむんだ。その余興としては悪くなかったな。」
するとリヴァイはこれからが本番と言いたげに、半分身体を起こしていたクレアを押し倒すと、再びベッドに沈めて覆いかぶさった。
「キャッ…兵長……」
すると、リヴァイはある物を取ろうと手を伸ばす。
それを見た瞬間、ハッとクレアは考えるよりも先に、リヴァイのその手を掴んでしまった。
「!?」
「……あの…兵長…」
「なんだ…?」
いきなりの制止に驚くリヴァイ。
「あ、あの…あのですね……私、1つ申し上げたいことが……」
リヴァイはやはり布団に手を伸ばそうとしていた。思わずその手を制止してしまったが、それと同時に思い出すのは、昨日ハンジとフレイアに話した悩み事。
話をするなら今しかチャンスはないだろう。