第23章 奇行種、いざ聖戦へ!
──嬉しかった──
素直でないリヴァイから、こんな礼の言葉を貰えるなど、想定外であったクレアは、一気に心臓を高鳴らせてしまった。
でも、香油屋夫婦からのアドバイスは見事成功したのだ。
クレアはやりきった感でいっぱいだった。
「明日も早い、そろそろ寝るぞ。」
「はい…おやすみなさい…」
リヴァイがサイドテーブルに置いてあった蝋燭を消そうとした時だった。
「あの、兵長。また、お疲れの時は言ってくださいね。私がお疲れ取りますので……」
火を消す動作が一瞬ピタリと止まる。
「あぁ……了解した……」
あの悶々とした拷問のような時間は二度と御免だと思ったが、本人は全くの無自覚なのだ。
奇行種クレアに思わずため息がこぼれる。
しかしそれは今に始まったことではない。
リヴァイは蝋燭を消すと、暗くなったベッドの中でクレアを抱きしめながら眠りについた。