第18章 奇行種、リヴァイとディナー
ちょうど日も傾く頃、リヴァイ達は目的のレストランに到着していた。
兵舎の近くにもシーナ程ではないがそこそこ値の張る高級店もあるにはある。しかしクレアがどこまでテーブルマナーを知っているか分からなかった為、選択肢からは除外した。
だからといって、普段ハンジ達と行っている居酒屋につれていくのも、せっかくのデートでは無しであろう。
リヴァイは考えに考えた結果、自由に注文のできる、少しお洒落なレストランへ連れて行く事にしたようだった。
席まで案内されるほんの数十秒であったが、クレアのその幼くも美しい容姿は、主に男性客の注目の的となってしまっていた。
ビスクドールがまるで生きて歩いてるかのように見えるのだろうか。席についてからもこちらをチラチラと見る客が後をたたず、リヴァイはイライラと舌打ちをしてしまった。
しかし、せっかくここまでこぎつける事ができたデートである。機嫌を悪くするのも勿体ない。
リヴァイは気持ちを切り替えると、メニューをクレアにわたしてやった。
「コースにはしていないから好きなものを頼め。」
「は、はい……」
好きなものと言われたが、どれも魅力的な料理名で、なかなか1人で決めるのは難しそうだ。
「あ、あの…兵長にお任せしても宜しいですか?どれも美味しそうで、なかなか決められません。」
「あぁ、わかった。お前は確か、にんじんとブロッコリーとインゲンが嫌いだったな。それ以外に嫌いなものはあるのか?」
「え?兵長?私、特に嫌いな食べ物はありませんので、どのお料理でも大丈夫ですが…?」
リヴァイに嫌いな食べ物の話などした事がなかったため、クレアの頭の中は疑問符だらけだった。それに、なぜピンポイントでにんじんとブロッコリーとインゲンなのだ?
「……お前の嫌いな野菜ではなかったのか?朝飯で温野菜がでると決まってお前はデイジーに食わせてるじゃねぇか?」
「……兵長、それは嫌いだから食べさせてるのではありません。デイジーが、喜ぶからあげてたのです。」
リヴァイの勘違いに思わず笑ってしまったが、そんなところまで見られていたとは意外であった。
「なんだよ、そんなにおかしいかよ…じゃあ、こっちで適当に決めるぞ。」
すると、リヴァイは店員を呼んで、あれこれと注文をしていった。