第14章 奇行種の妙案
「ありがとうございます!来年は巨人のフィギュアは1体にして、他の物も作りたいと思います。なので、また皆さんでお祝いしましょう。」
「おい、1体は作るのかよ……」
「はい、ハンジさんがあんなに喜んでくれたので、1体は作ります!ここは譲れません。」
「そうかよ…」
そう言って笑顔を見せたクレアは、リヴァイから書類の束を受け取ると、張り切って仕事を始めた。
様子を見る限りでは、薬は効いてきてるようだ。
「ったく、お前は本当にハンジ班の奇行種だな。」
クレアの隣に座り直すと、リヴァイも仕事を始めたが口元は微かに優しさを帯びていた。
一方、改めてリヴァイの優しさを感じたクレアは、早くリヴァイの特別な存在になりたいと強く想い始めていた。
それには、きちんと自分の気持ちを伝えなくてはならない。自身の中で焦る気持ちが少しずつ加速していくのをクレアは止めることができなかった。
──まだ夢の中にいるハンジは、自分の誕生日をきっかけに2人の想いが少し前進したことなど、まったくもって知る由もなかった──