第13章 奇行種、ハンジと入浴
「なんだか、愛には色々な形があるんですね…勉強になりました……」
プラトニックラブ…とでもいうのだろうか…
自分の想いには蓋をして、敬愛のみを貫き通すなんて…クレアは改めてモブリットの懐の深さを感じたような気がした。
愛とは、温かく幸せな形だけでは無いのかと思うと胸が少し痛い。
「アハハハ……これは愛の形といえるのかな?自信ないから参考にはしないでね。さて、もうだいぶゆっくり入ったよ。早くでて休もう。明日も忙しいからね!」
2人は軽くシャワーで身体を流してから浴室を出ると、少し急ぎ目に着替え始めた。
クレアは髪が長いため手早くまとめてタオルで巻くと、ロングワンピースの部屋着に着替えた。
ささっと荷物をまとめてから改めて髪をふきなおしていると、目にうつったハンジは兵服を着ている。
兵服を着てしまうと、先程までの豊満ボディは姿を消してしまっていた。
ハンジは着痩せをするタイプなのだろうか…
てか、今そんなことはどうでもいい!
「へ?ハンジさん?なんで兵服なんですか?さっき着替え取りに寄りましたよね?」
「え?これ?もちろん洗濯してあるやつだよ?このまま寝れば、明日の朝着替えなくて済むからさ!アハハ!名案でしょ?!」
この人はどこまでこんななのだ。リヴァイ風に言うのであれば「この怠慢クソメガネ」であろうか…
「ちっとも名案なんかじゃありません!そんなリラックスとはほど遠い服で眠っても疲れ取れませんよ?」
「大丈夫!大丈夫!私寝るときは3秒でぐっすり眠りの世界にいけるから!」
苦笑いしかできなくなったクレアは、自分なんかよりハンジの方がよっぽど奇行種だと、リヴァイに言ってやりたくなった。
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「それじゃ、クレアおやすみ。」
「おやすみなさい、ハンジさん。」
部屋の前までハンジに送ってもらうと、フレイアを起こさないようにそっとベッドに入った。
リヴァイに対する気持ちを話したり、またひょんな流れでハンジやモブリットの想いを聞いたりと、なんだかハンジとは短時間ではあるが濃密な時間を過ごせたように感じた。
これが、裸の付き合いというものなのだろうか。
とにかくハンジの魅力的な豊満ボディには驚かされたが、また懲りずに風呂には誘おうとはりきりながらクレアは眠りについた。