第82章 番外編・2人を繋げたモノは…?
そして、寄せ集められた肉があるべき所に戻っていった跡地に目をやれば、それはそれはよく見慣れた光景。
ティーカップソーサーをひっくり返したような膨らみとは、我ながらよくできた例えだと、リヴァイは自画自賛だ。
組み敷いたクレアを見下ろせば、戸惑い揺れる蒼い瞳、細くて華奢な腕、真っ白な肌に蜂蜜色の長い髪。
どれもこれも、心から愛しい。
心から愛しいクレアを抱くのに、かたいコルセットも膨らんだ胸も必要ない。
なくては困るのは、ありのままのクレアだけ。
「安心しろ。今まで何度お前を抱いたと思ってるんだ。ガッカリなどしていないからもうそんな顔するな…」
「兵長…本当…ですか??」
「当たり前だ。」
リヴァイの言葉に安心したクレアは、目に涙を浮かべたままくしゃりと笑う。
冬の陽だまりに咲いたクレマチスのような笑顔に、自然と2人の唇は重なった。
「ん…んん……」
皆の前でした誓いの口付けのような軽いキスではない。
愛するクレアの全てを求めて深く深く舌を絡ませる。愛しさが込み上げて、唇を重ねたまま強くその身体を抱きしめれば、クレアの細い腕が自身の首元にまわる。
それだけで、お互いがお互いを深く想い合っているのかがわかる。
重なった唇から、重なった素肌から、互いを求める腕から共有した熱は尊い愛しさとなって全身をめぐる。
「クレア…愛している。」
「兵長…私も、愛しています…」
互いの熱を共有したのであれば、後は心ゆくまで愛し合うだけだ。
そんな2人の初々しい夫婦生活は、まだ始まったばかり。
ーfinー