第82章 番外編・2人を繋げたモノは…?
「ハンジさん!ちょっと待って下さい!」
「無理無理!ミカサだけ先なんてずるいじゃん!待てない待てなーい!!」
「は、速すぎる……!!」
鼻息荒いハンジに、その背中を追いかける104期達。
彼らは兵舎から少し離れた小さな教会へと向かっていた。
そう、今日はリヴァイとクレアの結婚式。
クレアは目立つ事はあまり好まない。
そのためリヴァイからのプロポーズの返事はしたが、式については何も考えていなかった。
愛する恋人からの誓いの言葉があれば、それだけで十分だったのだ。
リヴァイもリヴァイで目立つ行為は好きではない。
式を挙げようとは思っていなかったが、クレアのウエディングドレス姿は見たい。
そのためどこかで時間を作って美しいクレアのドレス姿を絵に描いてもらおうとは思っていたのだが、そんな2人に盛大に待ったをかけた人物が1人。
調査兵団第14代団長ハンジ・ゾエだ。
2人で結婚の報告に行った時に、式を挙げるつもりはないと告げた途端、ハンジは眉間にシワを寄せて“ふざけんな!”と怒りの雄叫びを上げた。
調査兵団で結婚する兵士がでるなんて兵団設立以来初のめでたいニュースだ。
しかもリヴァイは幹部。
挙式披露宴は絶対だと主張するハンジ。
3兵団で大々的なお祝いを逃れるなど、無理な話だったらしい。
結婚の報告を受けてからのハンジは、すぐに教会の手配、そして憲兵団と駐屯兵団幹部への招待状など、忙しく動き始めた。
巨人の事以外でこんなにテキパキと働いているハンジを見た事があっただろうか。
招待状のような面倒くさい事務仕事も進んでこなしている。
愛するクレアのためならこうも変われるのかと、皆驚いた。