第81章 番外編・厳しい現実と深まる友情
「はい!でもそのかわり、ちゃんとお風呂に入ってからですよ!」
「え〜、なんでさ〜、冬のお風呂って上がると寒いから嫌だよ〜…」
「筋肉を温めてからの方がマッサージの効果も出ますので、入りましょう。私もご一緒しますので!」
「ちぇ〜っ…」
「ハンジさんをちゃんとお風呂に入れるのが、私の使命でもあるんです。モブリットさんに余計な心配はかけられませんから!」
「クレア…」
「ハンジさんに遺されたお手紙にも書いてありましたよね?“クレアがいないとあなたをお風呂に入れる人がいません”って。だから、これは私の使命なんです。なので今夜は入りますよハンジさん!!」
そう言ってニッと笑うとクレアはクルッと正面に向き直った。
モブリットの話を出されたらハンジとて反論の言葉が出てこない。
「もう、わかったよ〜!!ちゃんと入るからそのかわり、マッサージはフルコースだからね!フルコース!!」
「フフフ、かしこまりました。頑張ります!!」
「よっしゃあぁ!それじゃあこれからはタリアの家に行った後はクレアのマッサージフルコース付きだね!!ランスロットー!!3時間でも4時間でも母ちゃん頑張って抱っこしてやるからいつでもかかってこーい!!」
ハンジは今日1番の雄叫びを上げると、猛スピードで車椅子を押し走り出した。
「キャッ!キャアア!ハンジさん!ハンジさんってば!!飛ばしすぎです!!」
「ひゃっほー!クレアのマッサージを全力で堪能するために限界まで身体を疲れさせるんだー!兵舎まで全速力ーー!!」
ガタガタと車椅子が揺れクレアが悲鳴を上げるがハンジはお構いなしだ。