第78章 頑張ったご褒美は…??
クレアも紅茶を飲みながら一息つくと、テーブルに置かれた合格通知を再度手に取り開く。
改めて中身に目を通すと、自分の名前と合格という2文字が大きくしっかり書かれている。
医師を目指して約半年。
空いてる時間を全て勉強にあてたと言っても過言ではないくらいにクレアはがむしゃらに勉強をした。
その努力が今ようやく実を結んのだ。
通知を見ながらこれからは医師として働く事ができると思うと、クレアはここにきてやっと厳しい試験を乗り越えたのだと実感が沸いてきた。
「ん…?!クレアどうしたの?」
「あ、あの…本当に合格できたんだなと、今になってやっと実感が沸いてきて…ハンジさんも兵長も、温かく見守ってくださった事…感謝しかございません…ありがとうございます。海を見に行けるのも、楽しみにしております。」
合格通知を見つめたまま黙ってしまったクレアにハンジが声をかけると、柔らかい笑顔でクレアは2人に礼を言った。
「…どういたしまして。みんなで、見に行こう!」
「ここまで頑張ったんだ。必ず海まで連れて行く…」
「あ、ありがとう…ございます!!!」
ハンジとリヴァイの手のひらがクレアの頭にポンと乗ると、自然と涙がポロリと流れてしまう。
「あ、また泣いたな?!」
「すみません…嬉しくてつい…」
海を見に行く壁外調査。
自然と諦めていた景色を、2人のはからいで見に行ける事になった。
きっと一生の思い出になるだろう。
クレアは嬉し涙を流しながらも満面の笑みでゴシゴシと目元を擦る。
そして、まだ見ぬ“海”に心躍らせながら、残った紅茶を飲み干した。