第74章 選択と衝突と決断
「……………」
ベルトルトの力を奪えたのなら、後はエレンの生家の地下室を調べて速やかにトロスト区に帰還する事。
クレアの具合も心配だ。
リヴァイは何とか頭を切り替えると、それぞれに指示を出し始めた。
「フロック…可能ならエルヴィンの遺体を持って帰ろうと思っている。この辺りの廃材とロープを使って馬に繋げられるようにしといてもらえるか?」
「はい…」
「コニー…クレア達3人を壁上へ。それと、帰還に必要な物資をかき集めておいてくれ。揃ったら見張りを頼む。3人のうち誰か1人でも容態が悪化したら信煙弾で合図を送れ。可能な限り急いで戻る。」
「はい…」
「ジャン…生存者の捜索を…ひと通り見回ったらコニーと見張りをしながら待機しててくれ…」
「了解しました…」
「エレン…鍵はなくしてないか?」
「はい…ここに…」
「そしたら俺とハンジ…エレンとミカサで地下室の調査だ。時間がない…急ぐぞ…」
全ての指示を出し終えると、リヴァイは立ち上がる。
「よし…行こう!エレン、ミカサ、道案内頼むよ!」
「はい!ハンジさん、兵長…こっちです!!」
こうしてリヴァイ達はエレンの生家を目指して歩き出す。
巨人とはなんなのか…
3重の壁の秘密とはなんなのか…
壁の外からやってきたライナー達の正体はなんなのか…
多くの命を犠牲にしてやっと見えてきた謎の答え。
地下室に眠っている秘密…
どうか自分達の求める答えであって欲しい。
そう願いながら4人はエレンの生家へと向かった。