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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第74章 選択と衝突と決断






何も知らずに死んでいった両親はもちろん、年下だけど姉のように慕っていたフレイア、頼りにしてくれた後輩兵士リリアンにアンドレ…


エルドにペトラにグンタにオルオ……


ニファ、ケイジ、パドリック…



ハンジの言う通り、別れの日々だ。

正気を保つ事さえできなかった時もある。

でも、前に進むしか選択肢がないのだ。




ハンジの言っている事は正論だ。

調査兵団は壊滅状態。

エルヴィンという象徴を失うわけにはいかない。

ベルトルトの力を奪える見込みはあるが、ライナーと獣の巨人はギリギリのところで始末し損ねてしまったのだ。

壁に空いた穴は埋まったが、戦いは終わっていない。

エルヴィンの経験と統率力は絶対に必須。




だけど…ミカサとエレンの言ってる事も間違っていない…

アルミンの才覚で、この調査兵団は何度もピンチを切り抜けてきた。

今回の作戦だってそうだ。

アルミンがいなければライナーの居場所すらわからなかった。

アルミンの中は、無限の可能性で溢れているのだ。





しかし、リヴァイの行動も間違いではない。

ハンジ同様エルヴィンがまだ調査兵団に必要な人間である事は確かだ。

リヴァイだってこんな選択、したくてしているわけではない。

自分の大切な班員を、部下を…見殺しにしたい上官がどこにいる。

リヴァイはどうにもならないこの状況で、胸を痛めながら選択しているのだ。





「兵長……ミカサ……」





皆が正論で……皆が正解じゃないか……

どれもが正解なのに、1つに決める事なんてできない。




クレアは悲しくて、悔しくて、やりきれなくて…


滝のように涙を流すと、掠れた声で訴えた。




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