第73章 リヴァイ・アッカーマンの誓い Sideリヴァイ
俺はエルヴィンが新兵を率いて突撃を始めると、すぐさま立体機動装置で黙って突っ立っている巨人のうなじを削いでいった。
「気持ち悪ぃな……」
獣の命令がないと動かないのか、自分が近づいても微動だにしない。
薄ら笑いを浮かべてる顔でじっと立っているコイツらは不気味で仕方なかった。
しかし、命令がなければ動けないというのなら好都合。
獣の野郎は目の前で突進してきているエルヴィン達に気を取られて俺には気付いていない。
俺は次々にうなじを削いでただひたすらに獣に近づいて行った。
エルヴィンがどうなったか気にならなかったわけじゃない。
だが、ヤツが倒れている姿を今見るわけにはいかなかった。
夢を諦めて死ねと言ったのは俺だ。
だからこそ、俺は確実にここで獣を仕留めなければならない。
そのためにも、前だけを見て自分の責任をまっとうしたかった。
獣の巨人まであともう少し…
すると、新兵達の叫び声が聞こえなくなっている事に俺は気付いた。
それはエルヴィンを含む兵士全員が、あの投石の餌食になった事を意味している。
言いようもない怒りが込み上げてくる。
すると、倒した巨人が上げている水蒸気の向こう側に、標的の姿を確認した。
「あ〜あ、かわいそうに……」
これだけ殺しておいてまるで他人事の様な言い草。
ふざけるんじゃねぇぞ…
俺は宣戦布告とばかりにヤツの肩へアンカーを刺すと、思い切り左手から左肩にかけてを切り刻んでやった。
まだだ…
これで終わりではない。
うなじを守って硬質化する算段かもしれねぇが、そうはさせねぇ…
次は目だ…
そして両足…
硬質化も回復もさせる前にケリをつける!!