第4章 懇願
「はぁぁ………」
調査兵団へ行こうと決めたはいいが、問題が1つ。
「どうやってハンジさんの班に入れてもらえばいいんだ…」
クレアはハンジに心臓を捧げたのだ。ハンジ班に入れなければ調査兵団には行きたくない。
あまりやりたくはないが、仕方ない。
直談判だ。
昼過ぎにクレアはキース教官の執務室の前にいた。
「クレア・トートです、お話したいことがあります。」
「入れ」
ガチャりとドアをあけ、中に入り敬礼をする。
キース教官は机の書類に目を通しながら、「なんの用だ?」と声をかける。
「教官!お願いがあります!来年調査兵団への入団を希望しているのですが、どうしてもハンジさんの班に入りたいです、なんとかならないでしょうか?」
「調査兵団への希望はけっこうだが、所属班は調査兵団の上官達で決める。新兵の希望などは通らん」
「そこをなんとかしてくださいませんか?!私、ハンジさんの班に入れないのであれば調査兵団へは行きません!」
「無理なものは無理だ、諦めろ」
「諦めません!なんとかしてください!」
「…?!」
こいつは何を言い出すのだ
キース教官は立ち上がりクレアの前に立つ
「どうした?!昨日の講義で洗脳でもされたか?無理なものは無理だ、さっさと午後の訓練の準備をしに行け!」
「いいえ、諦めません!私はハンジさんに心臓を捧げたいんです!」
ドン!と再度拳で胸を叩き敬礼をする。
言った!言ってしまった!いや、言ってやった!
だがキース教官は物凄い剣幕でクレアの胸ぐらを掴み怒鳴った。
「ふざけるな!訓練兵といえど、規律を乱す発言は即刻退団命令だぞ!今のは聞かなかったことにしてやるからさっさと出ていけ!」
そのままキース教官はクレアを部屋から追いだしてしまった。
バタンと無慈悲に扉が閉まった。
クレアは悔しかったが、もちろん諦めるつもりもなかった。