第69章 仲間
「クレアーーー!!訓練終わったよー!」
「ハ、ハンジさん!!?」
勢い良く扉を開けて飛び込んできたのはハンジだった。
ハンジは相変わらずなハイテンションでクレアに抱きつくとスリスリと頬ずりをしながら奇声を上げる。
「あぁ〜、会いたかったよ〜寂しかったよ〜!!私はね!!クレアがいないと生きていけないんだよー!!」
「ハンジさん、嬉しいですが、ちょっと大袈裟ですよ?」
「大袈裟だなんてそんな事あるか!!クレアがいないと美味しい紅茶が飲めない、クレアがいないとモブリットの説教が増える!クレアがいないと大事な書類がすぐに行方不明になるーー!!早く復帰してぇ〜〜〜…あ、でも無理しちゃダメダメダメ〜〜〜!!」
「分隊長!!クレアの体調に障るのでお静かに願いますと何度も申し上げたではありませんか?!少し落ち着いて下さい。」
“やっと追いついた”とばかりに後から医務室に入ってきたモブリットは早速ハンジに説教をするがハンジはお構いなしだ。
「あ、モブリットさんもお疲れ様です!!私は大丈夫ですのでご心配なく!!」
「クレア……」
力無く名を呼んだモブリットの顔には疲労がうかがえる。
ウォール・マリア奪還作戦にむけてハンジら幹部組の仕事は倍以上に増えた。
いくらしっかり者のモブリットといえど、膨大に増えた仕事量に、変わらず怠慢なハンジ。
今まで何とか保っていた均衡が、クレアの不在で一気に崩れてしまったのだろう。
モブリットの説教が増えるのも無理はない。
この様子だと執務室は足のふみ場も無いだろう。