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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第68章 出会いと別れ





「兵長……」



クレアの目は真っ赤に腫れて、滝のように流れた涙のせいで顔面グチャグチャだ。

それは涙と鼻水の境目がわからぬ程に。




「この別れの意味とは…いったいどんな事なのでしょうか…」



「それは、天に戻ったあいつにしかわからないが…きっと意味があったはずだ。俺はそう思いたい。だから…前を向こう…」



リヴァイはポケットからハンカチを出すと、鼻の周りを拭き取りながら答えた。



「…私、この子の死を無駄にしたくはありません…」



この別れの意味は、まだわからない。

でもきっとこの子は、自分が兵士としてウォール・マリア奪還作戦に挑みたいという想いに気づき、身を引いたのかもしれない。



そんな事を考えていたら、今になって愛しさの様な感情が溢れてきた。




「そうだな…」



「…私…この子の死を無駄にしないように…全力でウォール・マリア奪還作戦に挑みます…でないと、本当に自分が許せなくなってしまうので…」



そう言ったクレアの蒼い瞳には少しずつ光が戻ってきた様に感じたリヴァイ。



「あぁ、だが今は身体をちゃんと治すの事がクレアの仕事だ。訓練はちゃんと治ってからだぞ?いいな?」



「はい……」



「医務室から逃げ出したら俺が真っ先に捕まえて連れ戻すからな。覚えておけよ。」



再び光を宿した瞳に少し安堵したリヴァイはクレアの頭をクシャクシャと撫でるとニッと口角を上げた。



「だ、大丈夫です…ちゃんと先生に言われた通りにおとなしくしてますから。」



腫れた目元をゴシゴシと擦りながら小さく笑顔を見せたクレア。



この突然の出会いと別れにどんな意味があったのか、今の2人にはわからなかったが、ウォール・マリア奪還作戦まであと1ヶ月。



人類の希望のためにリヴァイとクレアは前を向いて戦うと…

天に召された尊い命に…

力強くそう誓った。










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