第64章 それぞれの決断に、変わる風向き
「無事?」
「ミカサ…エレンが…エレンがぁ!!」
壁への激突を回避してくれたのはミカサだった。
駆けつけたのはミカサだけではない。
リヴァイも104期の仲間も一緒だった。
「ミカサ!!鍵をよこせ!」
「はい!!」
皆爆風に吹き飛ばされない様に姿勢を低くしながらエレンに近づきその身体を支えた。
「急げコニー」
「くっそー!!どの鍵だこれ!?」
リヴァイとジャンでエレンの身体を支えてコニーが鍵を解こうとするが、ジャラジャラと沢山ついていてどれがどの鍵だかひと目では分からない。
「エレン!お前もしっかりしろ!!巨人だけじゃねぇ!!鉄砲持った敵も飛んできてんだ!!」
「イヤ…その前に、天井が崩落する…」
ービキ…ビキッビキッビキッ…ギギギ…!!ー
エレンの真上の天井に亀裂が入り不穏な音が響く。
リヴァイの口調は冷静だが、事態は最悪だ。
「コニー!!早くしろ!」
「よし…!!…コレだ…?!!」
ーガチャンッ!!ー
コニーの選んだ鍵が見事に当たると真上の天井がついに崩落してしまう。
大きな岩のような塊が自分達に向かって落下してくる。
「よ…よけろー!!」
間一髪回避する事はできたが、さらなる事態が調査兵団を襲う。
「…何だこの、クソな状況は…超大型巨人ってのよりデケェようだが……」
彼らの前に現れたのは巨人化したロッド・レイスだ。
超大型巨人よりも巨大なその身体は洞窟の柱を次々に壊し、天井を崩落させていく。
「…オイオイオイオイロッド!!下手こいてくれたなっ!!結局てめぇも巨人に無知だったって事はよ〜くわかったぜクソが!!」
さすがのケニーも命の危機を感じ撤退を余儀なくされるが、それすらも難しい。
「アッカーマン隊長!!!」
「バカ!!来るなお前ら!!」