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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第64章 それぞれの決断に、変わる風向き





トラウテは調査兵の餌食にならぬ様、警戒しながら辺りを見渡すと、信煙弾の煙からゴーグルをかけた1人の兵士が出てきた。


リヴァイ達からも少し距離がある。


どうやらハンジに狙いを絞った様だ。










その頃クレアも煙に隠れながら奮闘していた。



「はぁ…はぁ…!!」



相手は厄介な兵器を持った人間。

巨人と戦う時とは違った緊張感が走り、息を上げながらブレードを振るっていた。



「うぁぁぁぁ!!」


…1人。


「ぐぁぁぁ!!」


…2人。


「ぎゃぁぁ!!」


…3人。



小さな身体だからこそ出せる機動力と素早さを最大限に活かしてクレアは飛び回る。



現時点で3人殺した。



失った仲間と同じ数を殺した所で二ファ達が生き返るわけでは無いのは分かっている。


でも、志半ばで散っていった仲間のためにできる事など限られている。

クレアは最低でも自分の手で3人以上の敵兵を倒すと、密かに心の中で決めていた。




そして時折ジャンやコニーの姿を目で追いながら、危険な目にあっていないか確かめる。



「…………」



ジャンもコニーもサシャも、皆覚悟を決めた力強い表情で戦っている。


その迷いの無い戦いに少し安堵していたのだが、突然、聞き慣れた良く知る声が、クレアの神経をゾワリと逆撫でした。




「痛っ!!!」



ードサッ!!!ー




嫌な落下音と共にその目に飛び込んできたのは、肩から血を流して倒れているハンジだった。



「ハ…ハンジさん…!!!」



皆ハンジの負傷に動揺している。

リヴァイもだ。

クレアは少し取り乱しながらハンジの元に駆け寄った。



「大丈夫ですか!?」



出血が少し多い。

すぐに手当をしないと…



そう思った時だった。




「今だ!!総員後退!!この煙から離れろ!!守りを立て直す!!」






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