第62章 レイス家の真実
ー翌朝ー
早速リーブス商会と手を組んだ作戦が決行だ。
エレンとヒストリアを捕えたという情報で商会を雇った中央憲兵を呼び出し、拘束して洗いざらい吐いてもらうという作戦だ。
幸運にも天気は朝から土砂降り。
この雨なら足元の不安定な道で、“事故”と見せかけて馬車ごと崖から落とす事も可能だ。
リヴァイ達は一足先にハンジ達が潜伏している場所まで向かい到着すると、バタバタと慌ただしく馬をおりた。
「みんなお疲れ様!!馬を入れる準備はしておいたから身体拭いたら休ませてあげて。それと、この雨今日はやみそうにないから脚はきっちり拭いてね!」
ハンジがリヴァイ班を出迎えると、ニファとケイジが大きなタオルを沢山抱えて出てきてくれた。
普段は平地を走ることが多い調査兵団の馬達。
体力や持久力は申し分ないが、荷物を積まれて足場の悪い山道を走らされたのは大きな負担になっただろう。
クレアも直ぐに屋根の下にデイジーを繋ぐと、鞍や頭絡を外して直ぐに身体を拭いてやった。
「お疲れ様デイジー。山道なんて滅多に走らないから疲れたでしょ?今拭いてあげるからね…」
「ブルンッ…!!」
クレアが声をかけると、デイジーは鼻を鳴らしながら頬ずりをして応えた。
「脚は…大丈夫そうね…」
そしてしゃがんで脚を拭きならがら腫れがないかチェックしていると、少し慌てた様な声で名前を呼ばれた。
「クレアさん…」
「ん?エレン?どうしたの?」
クレアを呼んだのはエレンだった。
「フェリオの脚が腫れてるってサシャに言われたんですけど、どうしたらいいですか?」
「え?本当に?すぐ行くから待ってて!」
フェリオはエレンの愛馬だ。
クレアは医療道具の入った大きなバッグを肩にかけると急いでフェリオの元まで向かった。
「ごめん!おまたせ!」
駆けつけると、サシャが腫れてしまったであろう右前肢をマッサージしていた。