第59章 奇行種、奔走
「では…捜査の方を宜しくお願いします。…そして強盗を捕らえた際はその卑劣な悪党共にこうお伝え下さい。このやり方にはそれなりの正義がと大義があったのかもしれない…命令でやった事だから自分が罪を負う事は無い…そういうモノだから仕方ないとお考えかもしれませんが…そんな事は私にとってどうでもいい事だ!!悪党共は必ず私の友人が受けた以上の苦痛をその身で生きながら体験する事になるでしょう!嗚呼、可哀想に!!」
ハンジは拳を胸に当て魂の底から想いをぶつけた。
「強盗にはそうお伝え下さい!!失礼します!!」
最後にそう言い放つと、ハンジはクルリと背中を向けてその場を後にした。
あれだけ分かりやすく叫んだというのに2人の憲兵はまるで他人事のような顔をしている。
まるで“こいつはいったい何が言いたいんだ”と言いたげな顔だ。
「分隊長…ヤツらは本当に?」
長い廊下を走りながらモブリットが問いかける。
「あぁ…中央第一憲兵団ジェル・サネス…奴の拳の皮が捲れていた。クレアの方はどうだった?!」
「…ジャケットに細かな血痕が…そして時間のたった血液の匂いがしました…」
「間違いないな、ニックは中央第一憲兵団に拷問を受け、殺されたんだ!!クレア、ニファを起こして準備させろ、モブリットはケイジとパドリックだ。急いでリヴァイ達と合流する!」
「「わ、分かりました!!」」
3人はリヴァイ達と合流すべく、急いで出発の準備に取り掛かった。