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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第54章 裏切り者の戦士







ードカドカドカドカッ!!!ー



走り出してどれくらいたっただろうか。

松明の灯りがなくてもうっすらと周りの景色が見えてくる。もうそんな時刻になっていた。



「地図だとこの辺のはずなんだけど…」


ハンジは地図を見ながら辺りを見渡した。


「あっ!!ハンジさん!あそこではないでしょうか?!」


すると、クレアが遠目に見える小さな建物を発見してハンジに声をかける。




「うん、間違いない。一旦あそこで壁の様子を確認してみよう。」



「はい!!」



視界が明るくなってくると、自然と馬を走らせるスピードも早くなる。

だが、ウトガルド城までの距離がドンドンと縮んでくると、何だか様子がおかしいことに気づく。




「あれ……塔が…崩れてませんか??」



「え?えぇ?!なんで?」



古びている事は想定していたが、崩れ落ちてしまうほど老朽化していたのだろうか。

壁の状況をじっくりと高い所から確認したかったのだが、塔が倒壊しているのならそれは不可能だ。

しかし、この辺りではウトガルド城くらいしかちょうどいい高さの建物はない。

せっかくここまで来たというのに、塔が使い物にならなければ他の方法を考えるしかない。

日が昇れば巨人が一斉に活動を始める。




すぐに他の方法を考えなければ……






「……ハンジさん…?!あれってまさか…」



「クレア?どうしたの?」



ハンジはアレコレと考えを巡らせていたのだが、クレアが何かを発見したのか突然大きな声を上げた。



「人影があります!もしかしたら104期の新兵かもしれません!!私!先に行きます!!行くよデイジー!!」



「はぁ?!ちょっ!ちょっと待ちなさーい!」



クレアは倒壊した塔から小さな人影を複数確認すると、ハンジの制止も聞かずに先に行ってしまった。



「クレアさん!私も行きます!!」



ミカサもクレアに続くように馬のスピードを上げてその背中を追いかけた。




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