• テキストサイズ

ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第52章 雨




────────────────



トロスト区の兵舎に到着し、クレアはモブリットにデイジーを任せるとすぐにエレンとアルミンを医務室へと連れて行く。



2人が医師の診察を受けている間に、小さな擦り傷や切り傷など、壁外では手当に急を要さなかった兵士達が次々と医務室に入ってきたため、クレアは治療の手伝いを申し出た。




「先生、軽症の方達は私が診ますので、エレンとアルミンを…お願いします。」


「あぁ…すまないね。クレア君、頼んだよ。」


「はい!……で、では軽症の方はこちらに並んで下さい!私が処置しますので…」



今回の壁外調査で重症を負って戻ってきた者はいなかった。それは皆女型の巨人によって殺されてしまったからだ。


いったい今回の遠征で何人の兵士が亡くなったのだろうか…


しかし、今は死んでしまった者よりも目の前の命が優先だ。

クレアはかぶりを振り、冷静にと自身を叱咤すると、次々にやってくる負傷兵の手当を始めた。




────────────────




「では先生失礼します…またお手伝いできる事があれば呼んで下さいね…」



「助かったよ。もう大丈夫だからゆっくり休みなさい。」



アルミンとエレンは医務室のベッドで絶対安静となったが、エレンは身体を起こせるようになったらリヴァイと共に古城へ戻らなければならない。




「…………」




エレンの容態をリヴァイに報告しに行くため、医務室を出たクレアはリヴァイの執務室へ向かって歩き出したが、その足どりは重い。



壁外調査を終えた幹部はとても忙しい。

そして今回は審議所でエルヴィンが宣言した事とは真逆に大損害を出してしまった。エルヴィンを始めとする幹部にエレンは、準備が整い次第王都へと向かわなければならないのだろう。


そんな中、4人の部下を失いリヴァイは一体どんな気持ちでいるのだろうか。


自分の顔など見たくないだろうか…


クレアは不安で一杯だったが、深く傷ついているのなら1分でも早くなんとかしてやりたい。


自分にできる事など何もないかもしれないが、何かせずにはいられなかった。



/ 1981ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp