第49章 104期入団
おそらくは調査兵団を希望していた者でも駐屯兵団へ希望を変更している者も多いだろう。
ここはエルヴィンの演説力にかかっている。
しかし、エルヴィンが強く語ったのは新兵の今後の生存率や、ウォール・マリア奪還までの果てしなく長い道のりだった。
そんな話を聞いている新兵の顔はたちどころに青ざめていく。
舞台の隅で部下が必要以上に脅しをかけているエルヴィンに冷や汗をかいて止めようとしているが、なす術などない。
このままでは入団希望者は1人もいなくなってしまうかもしれない。
しかし、あれだけの惨状を経験しても、調査兵団への希望者は0ではなかった。
エルヴィンの前に残っていたのは21名。
皆絶望しきった様な表情をしてる。
中には涙を流している者もいた。
だが、それでも調査兵団へ行くことを決めた覚悟と勇気。
「よく恐怖に耐えてくれた…君達は勇敢な兵士だ。心より尊敬をする。」
エルヴィンは目の前にいる勇敢な21人の新兵に心からの労いの言葉をかけた。