第49章 104期入団
「あっ…へいちょう…そんな事…だ、大丈夫です。」
「あっ??このまま着ちまったらせっかく脱がせた意味無くなるだろ…」
そう言って、丁寧に拭き取るリヴァイ。
年上の恋人に、しかも人類最強と呼ばれているリヴァイにこんな事をさせるなど、とてもできなかったが、リヴァイは至って涼しい顔だ。
言葉は悪くても、こういう事をきちんとしてくれるリヴァイ。こんな優しい事をされては、クレアの胸はまたキュンと熱を上げ愛しい気持ちが止まらなくなってしまう。
「ホラ、これで大丈夫だ…」
「あ、ありがとうございます…あの兵長、そのハンカチ…すみません…汚してしまって。兵長もう出発ですよね?私洗っておきます。」
兵服を整えたクレアは自分の体液で汚してしまったハンカチを受け取ろうと手を出した。
「あ?洗濯は不要だ。」
しかしリヴァイは不要と言い、その湿ったハンカチを丁寧に畳むとポケットに入れてしまった。
「へ、へいちょう…いけません…こ、こんな事言いたくないですが…時間がたつと…その…臭っちゃいますよ…日中は気温も上がりますし…」
「…断る。別にそんな事構わない。」
「な、なんでですか…?」
自他共に認める潔癖症リヴァイだ。
こんな事言い訳がない。
「…しばらくまたお預けだからな。お前の一部が香ってくれるなら好都合だ。」
「えぇ?!そ、そんなの恥ずかしいので嫌です!!」
「うるせぇな、断ると言っている。」
リヴァイはシレッと言い返すと、倉庫の扉を少しあけて外の様子をうかがう。
「今のうちに出るぞ…早く来い…」
「キャッ!!へいちょう…?」
有無を言わさずクレアの手を取ると、馬具倉庫から引っ張りだしてしまった。
「…なんだよ。意外だったか?」
戸惑った目で見つめてくるクレアにリヴァイは問いかけるが答えは1つだ。