第49章 104期入団
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その頃、エレンはエルド達リヴァイ班のメンバーと荷物の積み込みを行っていた。
「オルオ、ラヴィーネの調子戻って良かったな。」
エルドがオルオに声をかけると、オルオは盛大なため息をつきながら実に面倒くさそうに答える。
「ったく本当にコイツには毎回毎回俺の事を困らせてくれる天才だ。こんな事までして俺の気を引きたいのか?まったく迷惑な話だ…」
「そ、そうか…」
すると、すかさずペトラが突っ込みを入れる。
「ねぇオルオ…ラヴィーネの疝痛を診てるのはいつもリヴァイ兵長だよ…結局今回も兵長がラヴィーネの様子を見ながら調馬策運動させて回復させたんじゃん!ラヴィーネが気を引きたいんだとしたらそれはあんたじゃなくてリヴァイ兵長だよ!!」
「………」
あまりにも辛辣且つ的を得た突っ込みにエレンを含め、そこにいたメンバー全員オルオにかけてやる言葉が見つからなかった。
「チッ…なんだよペトラ……そういうお前も冷たい言葉で俺の気を引こうって魂胆か?それともツンデレか?」
「あぁ…もういい。まともに相手した私が馬鹿だった。」
そう言ってオルオに背中を向けるとペトラは自分の馬の馬房へ行き、掃除に取り掛かかってしまった。
「そ、そうだ…エレン。リヴァイ兵長を探してきてくれないか?」
「オ、オレが…ですか?」
「あぁ…まだ馬房掃除が残ってるが荷物の最終確認をしてもらいたい。頼めるか?」
「は、はい!!」
エレンはエルドに敬礼をして大きく返事をすると、リヴァイを探しに走り出した。
「えっと…そう言えばリヴァイ兵長どこにいるんだ?」
エレンが最後にリヴァイを見たのは馬場でラヴィーネを運動させてる所だった。
あれからしばらくたつ。
となれば馬具倉庫だろうか。
ひとまずエレンは馬具倉庫に向かったのだが……
衝撃的という言葉では言い表せない程の大事件がエレンに降り注いだ。