第8章 断罪
「ヤーシュ様、そ、その法令は…」
「なんだ」
「ヤーシュ様と私の子には、適用されませんよね…?」
私は、できるだけ穏やかな声でそう言った。
「そうですよね?だって、産まれた子が未熟児だったとして…それで、こ、ころす…なんて、できませんよね?私たちの子ですもの…。あの、それは、どの親も同じだと思います。みんな、ころしたくないと、思います。そ、その法令は…ひどいと思います。おやめになった方が…」
「ペシェ」
ヤーシュ様は私の言葉を遮り、言い放った。
「長たるものは、皆の手本であるべきだ。私が考えた法令なのだから、もちろん我が子も例外ではない。むしろ率先して行うべきなのだ」
そうして最後に、こう言った。
「お前も優秀な子が残るほうが嬉しいだろう?」
私は、寝台からズリ落ち、ヘナヘナと床にへたりこんだ。
ヤーシュ様、私、私…。
”優秀な子”が産みたい訳ではありません……。