第3章 友との再会
何とも性格が異なる三人に、つい笑みが浮かぶも不意に視線を感じ其方を向くと水色の彼とパッチリと目があった
「…何?」
「すみません、僕の知り合いと雰囲気が似ていたので…つい」
「まぁ彼は貴女のように頭は良くないのですが」
「は?」
それはつまり馬鹿だと言っているのだな、と分かると見かけに反して毒舌な水色の彼に急に親近感が湧いてくる。
そんな会話をしている間に、彼ら三人以外にも仲間がいる事を教えられたので兎に角今後の相談も兼ねて、待ち合わせ場所へと足を進める。
その間に聞いた事に耳を疑った。
何故ならここには化け物が存在すると言うのだ、そんな馬鹿な
と言いたいところだが、確かにこの建物の中に感じる空気は重く、彼らの口調からして嘘にも感じられなくて、冷静を装いながらも体には妙な力みが入っていた。
「先輩達、遅くね?」
「何も無ければ良いのですが…」
「君達ってバスケ仲間なの?ジャージが違うし、確か日本って制服やジャージの色で学校が分かるようになってるよね?」
「…さっきから気になっていたが、お前…」
「!遠くから数人の足音が近づいてくる、何かに追われているんじゃないか?」
「えっ!マジかよ?」
に言われ黒髪の彼が意識を集中させていると、水色と緑の彼にも微かに走る音が聞こえてきたのか三人が慌てて其方へ駆け出すので、も後を追いかける。
「ダァー!マジかよ!」
「うるせぇ黙って走れ火神!しばくぞっ!」
「無理無理無理っスー!!」
「黄瀬もうるせぇんだよ!集中して走れ!」
「だっだって、あれキモいっスよ〜!ってうわっ!」
「黄瀬!?」
前方から此方へかけてくれる三人組もまた派手だ。
と言うよりもあれって…
嘘でしょ?
「どうして、こんな場所に…」
2年も前に離れ離れになった友人の姿に、走っていた足が自ずと止まってしまう。
背丈は伸び、あの頃よりも低い声だが間違いはない。
信じられない思いに瞬きすら忘れている間に、黄色の彼がけつまずき派手に転んでしまうと、慌てて一緒に走っていた二人は振り返り駆け寄る。
その時、三人がいったい何から逃げていたのかその目にする事となった。
ズルリ…ズルリと引きずるような鈍い音を不気味に響かせ、小さな唸り声をあげ現れたそれは、人間の形をした化け物だった。