第3章 友との再会
「ん?どうかな、特に特別な人間ではないと思うけど…まぁ簡単に言えばバスケ命のバスケ馬鹿かな?」
三人はどう見ても悪人には見えないが、ただ一人だけ長身に緑の頭をした青年だけは警戒心むき出しで睨んでくる。
しかしそれも敵意と言うよりも仲間を案じるからだろうと理解出来るくらい、その青年の目が真っ直ぐに真剣だった為、笑って簡単な自己紹介をする私に、三人は呆気に取られてしまった。
「…な、何つーか明るい子だね。」
「はい、やはり悪い人には」
「簡単に信用するのは安易なのだよ!」
「…うん、気持ちは分かるよ。」
「何?」
「んー、見たところ君達も何かに巻き込まれてここにいるんだよね?警戒心もだけど、さっきから人間じゃない者に怯えている感じだし、いったい何があったの?」
「…まだ、誰ともお会いしてないんですか?」
「うん、気が付いたらさっきの教室に放置だったから、何が何やら、でも…ここが普通じゃない事は分かったよ。」
教室を出て少年に手を取られ走っている間、ずっと周りを観察して
わかった事は、ここがアメリカ何処か普通の学校かも疑いたくなる内装だったからだ、まず電気が設置されていない、廊下も木製で広いとは言いがたい作りからおそらくだいぶ昔の学校だと思えるが、それにしても数百メートルは走ったはずが、窓が全てはめごろしで空には満月が一つ見えるだけなのだ、満月のおかげで電気がなくとも見えはするが、それでも薄暗く建物内は陰気臭くイヤな空気が漂っている。
「日本の小学校、かな?にしても窓がはめごろし何て、まるで隔離病棟のようだし、変だよね。」
「走りながらそんな何処迄見てたのか!?スゲーな!」
「んー、観察は習慣てゆうか癖なだけだから。それより君達はここに詳しいの?」
「いえ、僕たちもまだ全ては分かりません。ただここには信じがたい生物が存在しています…」
「それってさっきの野獣のような生き物だね。」
「あれが見えたのか?」
「いや、見える距離ではないから視覚では確認していないよ、ただ…私も気配には敏感なんだ、そこの黒髪の彼の様な眼は持っていないよ。」
「!俺の眼まで分かっちゃうんだ!本当何者?すごすぎっしょ!」
興奮した黒髪の青年に、緑の彼がため息をつく。