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[黒子のバスケ] ロックオン

第5章 懐かしい温もり





「タイガ、…すまない。八つ当たりをしてしまった。」

「謝んな!…俺が逃げた事に、変わりはねぇんだ…ッ」

「兎に角、体育館へ戻る。ここで言い合いをする事は得策ではない。」

「体育館?」

「あっ、体育館だけは化け物が入ってこないんです。」

「そうか。では向かおう、の手当てもしたい。」

「酷い怪我なのか!?」



赤司からの言われた場所を疑問に感じた氷室が問いかけると、高尾が教えてくれた。安全な場所があるとは知らなかった氷室はホッとしたよう息を吐くと、を抱き直しながら心配そうに見つめるので、火神も慌てた様子で駆け寄る



「外傷は軽い傷が多数で出血も少ない、ただ疲労が酷いよ…。これでは目を覚ます迄時間がかかるかもね。」

「…そっか…」

「タイガ、君も無事で良かった。」

「…辰也もな、やっぱお前も来ちまったんだな。」

「このメンバーを見る感じだと、バスケ関係が集まってるのか?」

「みたいだな、でもだけがアメリカから来てんだ。だから…色々疑われてるっつーか…」

「そうか…」



高尾と赤司を先頭に間に火神、を抱いた氷室、最後尾に青峰が歩いている中、二人の会話だけが静かな廊下に聞こえていた。



「…ちょっと、質問いいっすか?」

「何かな高尾君」

「あの、さっき火神から氷室さんとちゃんの関係を聞いちゃったんすけど…」

「何だよ、関係って?」

「…タイガ、こんな場所で何を話しているんだい?」

「あっ、いや!成り行きでついッ!」

「はぁ…」



高尾の歯切れの悪い言い回しに、青峰も気になり声をかけたのだが、当の氷室はタイガを流し目で見つめるので、火神は慌てた様に言い訳をしていると、赤司から深い溜息が聞こえて来た。

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