第5章 懐かしい温もり
「…タイガ、これはどうゆう状況なんだ?まさかとは思うが、を一人残して逃げたんじゃないだろうな?」
「辰也…」
「氷室さん、今は」
「君は黙っていてくれ、これはオレたちの問題だ。」
「ッ!」
こんな目をした氷室は試合中でも見た事がない、普段穏やかな表情しか見た事が無かっただけに、口を挟んだ高尾は怯えた顔を見せると、火神がゆっくりと歩み寄る。
「全て俺が悪い、を一人残していくべきではなかった。」
「……タイガ、今回は間に合ったけど…一歩間違えばは死んでいたよ。」
「ッ!」
睨みつける氷室の目は真剣で、悲しげに揺れていた。
火神は、何も言えずに拳を震わせ俯いていると、青峰が隣に立っていた。
「あんた、火神ばかり責めても意味はねーと分かってんだろ?こいつはずっとを助けようと必死になってた、今回はどうする事も出来ない状況だったんだ。」
まさか青峰が火神を庇おうと動くとは誰も思っていなかっただけに、火神自身も唖然としていると、氷室は小さく息を吐き出してから火神に視線を戻しす。