第5章 懐かしい温もり
「緊張感がないですね…。今の状況、余り余裕は無いと思いますが?」
「すまない、体育館迄私語は慎むよ。」
「わ、わりー…」
「と言いたいところですが、僕も氷室さんと彼女の関係には興味があります。差し支えなければお聞きしてもよろしいですか?」
「赤司も気になってたのかよ!?」
「やっぱここまで聞いたら聞きたいよなぁ」
「た、辰也…どうすんだ?俺もアメリカ離れる前迄の事しか知らねーし、ずっと気になってたんだよな。」
「……とは、アメリカを立つ少し前に別れたよ。納得はしていないけどね。」
「納得してねぇって、やっぱお前…まだコイツの事好きなんだろ?なら何で」
火神が詰め寄ると、少しの沈黙の後氷室はゆっくりと語り出した。