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[黒子のバスケ] ロックオン

第4章 認めてもらう為に



木吉がいくら揺さぶり声をかけても全く起きる気配のない紫原を見ると、火神は悔しげに拳を握り締める。
そんな火神を黒子もまた眉を寄せ見つめていた。



「…絶対、戻ってこい。約束しろ!」

「勿論、約束する。だから…皆も無事に戻って。」

「ああ。」



四人を後方の出入り口から出すと、は前方出入り口から出てゾンビの来る方向に走り出す。
ゾンビは三体、倒せない数ではないけど怪我はしたくない。
ゾンビに怪我をおわされると自分も…と何かの映画で見た気がするし、と妙に冷静な考えが頭をよぎり一体を蹴り飛ばすとすかさずもう一体に、足払いをして倒したところでもう一体から距離を取る。



「…やっぱり、人間じゃないね。」



痛みがないのか、全力で蹴り飛ばしたゾンビですら何も無かったかのように起き上がったのを見ると額から汗が流れ落ちた。



時を少し戻した体育館では、赤司を中心に今後の相談がされていた。



「赤司君、さんはやっぱり私達と同じで巻き込まれただけだと思うよ?」

「さつきにしては簡単に他人を信じんな?」

「青峰君茶化さないで!…だって、あのテツ君が信じた人だよ?テツ君は人を見る目がしっかりしているもの。」

「…俺は緑間が簡単に懐いた方が驚きだったけどな。」



Aチームが出発する間際のやり取りは皆見ていたので、其々が驚いた事だろう。以前からの友人である火神は兎も角黒子や高尾、緑間迄もと笑い合っていたのだから。
しかしその事で、易々と信用を出来る程簡単には考えられないと、赤司と花宮はやはり渋い顔をしていた時だった。
それまでずっと座り込んでいた灰崎が立ち上がると赤司に近づいて行く。



「よぉ、赤司…あの女が信用ならねぇなら俺が確かめてやるぜ?」

「何がいいたい」

「結構好みだからよー、仲良くなりてぇのよ。」

「灰崎君、何を考えているのこんな時に!?」

「別に構わねーだろ、どうせお前達とは無関係な女だ。」

「彼女に妙な真似をすれば、僕は黙っていない。」

「!…はぁ?虹村の女だからか?」

「関係ない、彼女は既に僕達の仲間だ。信用はまだ完全にはできないが、彼女を傷付ける真似をして見ろ、許しはしないぞ。」

「…ッち」
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