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[黒子のバスケ] ロックオン

第4章 認めてもらう為に


周りを警戒し歩きながら話す二人の会話に、黒子が背後から問いかけると、二人はビックリしたように振り返る



「…本当に黒子君て気配消すのうまいね」

「こいつのは影が薄いだけだ」

「黒子君も辰也の事知っているんだね」

「はい、何度かお話をしました。氷室さんともご友人なんですか?」

「…友人、とは少し違うんだけど…ね」

「?」

「付き合ってたんだよ、コイツと辰也」

「マジ!?」

「高尾、声がデカイ!」

「真ちゃんもデカイっつの!つーかまさか氷室さんの元カノだったとは、意外だな。てっきり虹村って人と付き合ってるのかと思った」

「…火神とも仲が良いだろ?」

「火神君とは兄弟みたいに見えます」



こんな薄気味悪い場所を歩いていると言うのに、何とも呑気な一年生達の会話に、唯一の二年生である木吉は止めるでもなく穏やかな顔で聞いているだけで、は一人大丈夫なのだろうかと心配になっていると、急に高尾がピタリと足を止め右手を横に上げ皆に止まれ、とハンドシグナルを出すと、それまで話していた皆口を閉ざし緊張が走る



「…何か、いる」

「人の足音…みたいだけど」

「ちゃん耳いいね」

「耳はね…、でもおかしくない?」

「ああ、体育館からだいぶ離れた位置だが単独行動は基本有り得ないのだよ。」



それは当たり前の事だ
何故なら、こんな場所でたった一人では戦う事も逃げる事も難しい。あの赤司がそんな事を絶対許すはずはない



「どうしますか?逃げますか?」

「しかし、俺たちの探索エリアはこの先だからなぁ」

「木吉先輩、ここは回り道するとか…」

「私、見てくる」

「はぁ!?」



黒子の不安げな問いに木吉は頭をかいて迷いを見せたが、火神はお化けやら得体の知れない者が苦手なだけに逃げ腰だ
それならとが一歩前に出ながら確認しに行こうとすると、パシリと高尾に腕を掴まれた



「単独行動はダメだよ、あぶねーし」

「大丈夫、私が強いの高尾君は知ってるでしょ?相手は単体みたいだし」

「それでも女の子一人行かせるわけにいかねーよ。俺も行く。」

「…高尾君はダメ。この中で危険察知に長けた貴方が抜けるのは絶対しちゃいけない。私なら大丈夫」

「木吉先輩、俺とで見てくるんでここで待っていてくれ。…ださい。」
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