第3章 友との再会
一年とはいえアメリカでは毎日共にバスケをしてきた火神は、虹村という人物を知らなかった、だから虹村の存在は気にかかった。
「タイガとは入れ違いだったの、バスケもだけど修には沢山の事を学ばせて貰った、少し手が早いのは玉に傷だけど、それ以上に尊敬出来る人だよ。」
「ハッ、口では何とでも言えるけどな、俺たちはお前を知らない事に変わりはない、ここにいる火神を抜かしてな。」
「…残念ながら花宮さんの言われた通り、僕達を知っているからといって貴女を完全に信用する事は出来ない。」
花宮と赤司の態度に、火神が前に出るのを腕を掴み止めたは首を振り火神の隣に立つ。
「こんな場所で皆さんと面識のない私が疑われる事は理解出来ます、寧ろ安心しました。やはり修の話していた通りの人ですね…赤司さん。」
「どういう意味ですか?」
「バスケの上で、ずば抜けた実力者であるのは勿論、そのリーダーシップ、頭脳、どれをとっても誰もが認める人だと聞いていました。そんな貴方とこうしてお話が出来た事がとても嬉しいです。だから、これから私の行動を見て判断して下さい、私がどうゆう人間なのかを。」
「……。」
赤司side
虹村さんの知り合いだからといって、安易に信用は出来ない。
それを直接伝えたのは、彼女の出方を見るためと同時に、興味が湧いたからだ。
こんな世界に飛ばされ、たった一人でこの場に立つ女性。
そんな状況だというのに、彼女からは怯えや恐怖を感じない。
本音はどうだとしても、それを顔に出さないのは自分の今置かれている立場が危ういと理解しているからなのだろう。
僅かなやり取りではあるが、少なくとも彼女からは敵意は一度も感じない。ならば…
*
「分かりました、ではこれから共に行動してもらいます。改めて自己紹介をします、僕達キセキの世代のメンバーはご存知のようなので他の方から順番にお願いします。」
「…赤司が認めたんならワイも異存無いで、花宮もええな?」
「ふん…認めた訳ではないけどな。」
「はい、分かっています。ありがとうございます。」
「ふふっ、何や素直で可愛い子やなぁ〜」