第3章 友との再会
「お、おまお前がわけわかんねー事ぬかすからだろーがっ!」
からかいがいのあるタイガに、思わず笑顔になるであったが、周りにいるメンバーはそんな二人のやり取りに、複雑な心境になっていた。
と言うのも、この常識とは掛け離れた世界に飛ばされ約1日が経過して見つけた仲間は既に20人となり、その全てが顔見知りでバスケ部所属の高校生なのだ。
約一名を除き全員が男子生徒で、今後増えるにしても顔見知りであろうと思っていた矢先の見知ら女の登場に、皆警戒するのは当然であった。
「仲ええんやねぇ、まるで恋人同士のようや。」
「なっ恋人!?あり得ない冗談やめろっ!」
「タイガの好みの女性はお淑やかな女の子だものね、私とは真逆よね」
「…お前、自分でそれ言うか?仮にも女だろーが」
「いいの、私は寧ろ男になりたいくらいだから。女らしさなんて望んでないよ。」
「そら勿体ないのぉ、折角可愛いのに、アメリカでもモテるやろ?」
「ーやめて下さい。モテるとかはっきり言って迷惑なだけです。」
「!…?」
火神side
とはアメリカにいた頃、一年程の付き合いだったが、一緒にいて凄く楽しかったし、女と言う事で周りから馬鹿にされる事があっても負けん気の強い性格故に、俺が心配をする程だった。
それでも見た目の可愛いさと明るく前向きなを好きになる男も結構いて、は言い寄られる度断っていた
「興味は無い事ないよ?ただ…良く分からないんだよね、うちお父さんいないし…。」
そう言って笑ったの笑顔は、いつも明るいとは違い悲しそうで、それ以上の追求は出来なかった
*
「、お前…アメリカで何かあったのか?」
「!?…何の事タイガ」
「惚けんなよ、お前昔はそんな風な言い方した事なかっただろ?相手を傷つけるような言い方はしねー、思いやりがあった」
「タイガって本当に変わってないよね、二年前と同じ。誰も疑わないし真っ直ぐで。」
「何だよ話そらすなよ」
「私、男の人が苦手だよ。出来ることなら関わりたくないくらい。」
の凜とした声は体育館に良く響き、水を打ったように静まり返った。
「ックク…」