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清廉の君に紅を【刀剣乱舞】

第4章 経始【進】


三日月「そろそろ他の者に譲ってやったらどうだ?」

髭切「ありゃりゃ。あーあ、もう少し堪能してたかったのになぁ。
こんなに美味しい物を口にしたのは本当に久しぶりだったよ、ご馳走様。」

そう言って初から離れ部屋の奥へと姿を消した。

刺激と重みから解放され、肩で息をしつつ
やっと終わったことへの安堵感を感じていると
周りがざわざわし出した。

次は自分だと一同が言い出し、乱闘になりかける。

あの痛みと恐怖に、再び耐えねばならぬ事への絶望感に駆られ、逃走を試みようと身体を起こそうとした時、また身体に重みを感じ、私の視線は天井へと戻された。

?「何してはるんですの?まぁだ始まったばかりやありまへんか、仲良うしましょ」

どこか気だるげな雰囲気で言う男は、関西訛りの口調に眼鏡という特徴で、直ぐに太刀の明石国行だとわかった。
他の者達がもう静かになっているということは、“次”は彼に決まったのだろう。

『ぃ、いやっ』
咄嗟に両手で近づいてきた胸板を押し返すが、痛みに耐えられず自らその手を離してしまう。

明石「嫌やなんて悲しいですわ、ほら、面倒臭いんであんまり暴れんといてくださいね」

そのまま再び肩の傷口に口を落とし、直ぐに顔をあげ初と目を合わせた明石は、口に着いた血を長い舌で舐めとった。
明石「うわ、ほんまに美味ですわ、なんですの自分?
髭切はんの言うとった独り占めしたいってのも頷けますわ。」

明石の行為と言葉に羞恥を感じた目を伏せるが、明石はさほど気にせず再び肩に顔を埋めた。

ぴちゃりくちゅりと髭切よりも大きな音をたてて舐めていた明石は、突然思い出したかのように顔をあげた。

明石「ああ、そう言えば。鶴丸はんの話によれば自分、愛染と蛍も治してくれはったみたいですな
それはまぁ、お礼言わせてもらいます」

それだけ言うとまた何事も無かったかのように一心不乱に血を舐めだす。

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