第4章 経始【進】
まだ2人目だというのにもう初の意識は絶え絶えであった。
何とか隙を見て逃げ出さなくては、出血多量で死んでしまう。
...そう思っていた時だった。
スパンッ と音を立てて部屋の襖が開かれた。
一同が一斉に其方を見ると、そこには
大和守安定、愛染国俊、蛍丸の姿があった。
安定「初っ!!!」
大和守は初を見つけると一直線に駆け出す。
それに愛染と蛍丸が続いた。
「貴様らどういうつもりだ」
しかし、簡単に道が開く筈も無く、行く手を阻まれる三人だったが、
安定「そこをどけっ!初になんてことしてんだ!!」
大和守は声を荒らげ、あろうことか抜刀し、仲間たちに刃先を向けた。
其方を見る気力もなくなってしまった初は、状況があまり理解出来ずにいたが、永遠に続くとさえ思っていた痛みと恐怖から、開放されるかもしれないという希望に安堵していた。
愛染「国行、なにしんてんだよ!主さんからどけ!!」
蛍「そうだよ国行、なにしてんのさ」
明石「国俊.....ほ、蛍...。」
身内から総攻撃を受けた明石は少し怯み、その隙をついて大和守は刀を振り回し道を開き、初を明石から引き離し、無事助け出した。
安定「初っ、初大丈夫!?死なないで!!」
初の傷と血色の悪い顔を見て、焦る大和守。