第4章 経始【進】
?「悪いが、そこまでにして俺に着いて来てもらうぜ」
そのような声がするや否や。視界がぐるりと回り、私の目にはボロボロの畳が映し出されていた。
初は米俵のように抱えられ、そのままどこかへ連れていかれてしまった。
あまりに突然の出来事だったため、残された愛染国俊と蛍丸はただ口を大きく開けてそれを見ることしか出来なかった。
はっと我に返った愛染は、
「はっ!!やべぇ、追いかけねーと。アイツらの所に連れてかれたら殺されちまう!」
と慌てて後を追った。
否、追おうとした。が正しい。
愛染の手を蛍丸が掴み、引き止めたのだ
蛍丸「何してんのさ、国俊。人間が俺らに何してきたかわすれちゃったの?
あんなの殺されちゃえばいいんだよ。」
蛍丸は初を助けに行こうとした愛染が心底不思議という顔をしてそう言った。