第4章 経始【進】
次の瞬間、刀は煌めきだし余りの眩しさに私と愛染国俊様は目を瞑った。
少し経ち、薄目を開けると前髪を桜の花弁が掠めた。
驚いて目を見開けば桜吹雪の向こうに佇む人影が見えた。
私がその人影を見つけるのとほぼ同時に、隣にいらした愛染国俊様がその人影がに向かい駆け出した
愛染「蛍!」
そう嬉しそうな声音で叫ぶ愛染のお顔の方を、その人はゆっくりと見やった。
蛍丸「国俊...あれ?...なんで俺...」
そう言って辺りを見回していくその人...蛍丸様の目は私を捉えた。
蛍丸「国俊、どういうこと」
刀に手をかけ今にも斬り掛かりそうな殺気で初を睨む蛍丸を慌てて愛染が宥めた。
愛染「まっ、まて蛍丸!!お前を助けてくれたのはこの人なんだ!!」
蛍丸様は信じられないという表情で愛染国俊様と私を交互に見やる。
刀からは未だに手を話してくださらないが、少し殺気が収まったように思い、
自分の口から御挨拶をさせて欲しいと愛染国俊様に頼み、自己紹介をしようとしたその時だった。