第4章 経始【進】
そこで先程思い出した大和守様だ。
まぁ、あれはあの様な事を仰る位なのだから私から神気を吸い取る気は満々だったのだろうが、口からでも神気を移せるということだ。
ん?...あの時はあんな状況だったからとういのはあるが、私はそれを祖母から教わっていた...知っていたはずだ。
...ああ、なぜこうも私は使えないのだ。これでは愛染国俊様にも蛍丸様にも申し訳が立たない。
だがそうとわかればすぐにやろう。
1人反省会はそのあとだ。
頭を抱えていた手を降ろし、蛍丸様を慎重に手に取った。
そして、そっと傷に口をつけ、ありったけの神気を流し込んだ。