第4章 経始【進】
その顔に気づき、驚いて小さな悲鳴をあげつつも、お陰で我に返った。
...血を舐めて治ったことに関してある仮説が思いついた。
お二人が舐めた血は私の物で、当然の如く私の神気等も含まれている。
血液もエネルギーになったにしろ、もしかしたらその含まれた神気を吸い取ってお二人の傷が癒えたのかもしれない。
ならば、蛍丸様に垂らした血には神気は含まれていないのか?となれば、そんなはずはない。
血 に関しては、自身が意思を持って吸い取らねば、神気は刀剣男士様のお身体に吸収されないのやもしれない。
血液から神気を吸収する
等と、そこまで明確な意思ではなくとも。ただ、自分の意思で、血を舐める、体内に入れるという行為をすることで、血液に含まれた神気が入り治癒効果が表れるのやも。
というものだ。
もしも、それが合っているのならば蛍丸様は今真の姿...つまり意思を持たぬ刀剣のため、いくら私が血を垂らしても意味が無いということになる。