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清廉の君に紅を【刀剣乱舞】

第4章 経始【進】


まず、一番最初に思いついたのは、研修とも言えないような、軽く行われた指導にも登場した‘手入れ’だ。
しかし、先程も思ったが、これは相当な手練であっても難しいものだろう。
下手に触れればいとも容易く真っ二つになりかねない。

...それ程までに危険な状態で一年以上もこのままで耐えていらしたんだ。
もっとはやく自分が、自分でなくても誰かがこの惨状に気づき、対処ができていれば。
ここの刀剣男士様達の心身共々の傷たちは、もう少し軽いもので済んでいたのかもしれない。
そう思うと、悔しくてたまらなかった。

目の前の空間に、画面を開き、資材 と 手入れ道具を取り出そうとして手を止めた。
私の腕どうこうではなく、それ以前に資材がほぼ無いに等しい状態なのだ。

心配そうにこちらと蛍丸様を交互に見やる愛染国俊様の頭を撫で、心配いりませんよ。と安心させるが、
これはまずい。多少はあるが、これでは大太刀の蛍丸様を治すためには圧倒的に少ない。

どうしたらいいのだろう...殆ど何もわからない審神者なりたての私には、頭を抱えることしか出来ない。

しかし、愛染国俊様のお気持ちに応えたい。それに私も蛍丸様にお会いしたい。どれも全て本心だ、それに、傷だらけだった大和守様や愛染国俊様のことは治せたんだ。
絶対大丈夫。そう何度も何度心の中で繰り返し鼓舞して、冷静さを取り戻した。
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