第4章 経始【進】
?「!?...やめっ、ろ!!触んじゃねぇ!」
そう刀を持ったまま払い退けられらば、刃は手首をかすり、紅い血が流れ出す。
切るつもりは本当はなかったのか、私から血が出てきたことに驚き、顔を青くする少年を
私は再び撫で続けようと手を頭にやろうとすると、少年は眼をぎゅっと瞑り、身体も硬く強ばらせる。
その姿を見て、思わず抱きしめて、背中をさすった。
?「.........打たないの...か?
怒んねぇのかよ?...」
私は首を横に振り、更に腕に力を込めて抱きしめる
?「なっ...なんなん......だよぉ...他のやつは...こんな事したら.....こんなこと...した...ら...」
辛い記憶が蘇ってしまったのかその身体は冷え、震えも大きくなってしまう。
よく見れば大和守様同様に...いや、下手すればそれ以上に身体は傷だらけでボロボロだった。
酷い...いや、酷いなんて言葉では足らない。
最初の審神者 という者も、その後に来たというほかの審神者達も...皆。
刀剣男士様達の身体にも、心にも深い傷を負わせたのだ。
最初は自分のため、恩返しのために引き受けた審神者という仕事だったが、
まだ二人にしかしっかりとお会いできていないが、その酷さは十分に理解ができた。