第6章 路地裏イチャイチャin夢魔
本気で夢魔である彼女が逃げれば、
おそらく無敵ではあろうが、
あくまでそれは逃げることと隠れることだけであり、
戦う術を全く持たないひ弱な葵が、
自分とのかくれんぼの途中で、
ほかの輩にからまれないとも限らない、
だからこそ謙信は彼女に制限をかけた。
葵「りょ・・・了解です」
謙信「では始めるか、はよう隠れるがよい」
葵「分かりました。謙信様見つけてくださいね」
葵は楽しそうに笑うと、
謙信にそう告げ、踵を返すと隠れ始めた。
謙信「・・・見つかっては負けなのだがな」
葵の姿が見えなくなってから、
謙信は苦笑いを浮かべながら、そんなことを言う。
その間も謙信は心の中で数を数える。
いつぐらい待てばいいのか聞いてはいなかったが、
あまり待つのもなんだろうと、
謙信は二、三分程度、数を数えると、
ゆっくりと愛しき者を探しに歩き出した。