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私とアナタの7日間。【ONEPIECE】

第6章 5day


肩を小さく上下させ酸素を取り込みつつは恨めしそうにトラファルガーを睨む。が、彼はただ満足気に濡れた唇を舐めるだけだった。

「お前がその能力を使いこなせるようになりたいなら手伝ってやる。だが、その力は人を殺すかもしれねェぞ。」

「…それでも…そうだとしても……。」

は両腕を弛緩に持ち上げ彼の背中へ回す。この温もりが、声が、何よりも心地よく安心する。そして、意を決するように大きく息を吸い込んだ。

「私はこの船の皆さんが…ローが好きです。だから…これからもここに居たい、その為に強くなりたい。得た力を、使いこなしたい。」

「……それは告白のつもりか?」

「う…っ!そ、そうですよ!」

半ばヤケになりながら声を上げ胸板へ額を押し付け顔を隠すにトラファルガーは小さく笑う。そして片手で数度、彼女の頭を軽くぽんぽんと叩いた。

「顔を上げろ。」

「…嫌です。」

「無理矢理向かせてやろうか?」

「意地悪…!」

言葉より先に頭に乗せられていた手が顎下へ滑ると指先で軽く顔を持ち上げられる。その表情は何処か悔しげはあるものの真っ赤に染まる頬にトラファルガーは自分の中でに対し愛おしさが込み上げるのを感じた。

「好きな女は虐めたくなると言うだろ。」

「ただのいじめっ子の発想ですよそれ!……え、あれ…?」

好き、という言葉がの中で反芻される。言葉の意味を理解するに連れてドクドクと心臓が大きく脈打つ。

「…何で泣きそうになってんだ。」

「だって…!」

自分と同じ気持ちだったなんて。嬉しくて、堪らない。トラファルガーはの眦に浮かぶ涙を親指で拭った。すると堰を切ったようにの瞳からは涙が溢れ、彼の胸元に顔を押し付ける。

「私、まだ弱いし臆病だけど…!この船に残ってもいいですか…?」

「当たり前だ。断る様なら最初から助けに行ってねェよ。」

迷いの無いその言葉がの中にじんわりと広がっていく。何かが満たされていくように暖かい。そんな感情を与えてくれるのは、彼だけだ。
心は決まった。
この人と、この人達と命が尽きるまで共に生きる。その為に、故郷を離れるのも惜しくない。強くなる為に、臆病で怖がりな自分は変えていくのだと。

航海、5日目

(やっと手に入れた)
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