第4章 3day
細い光が窓から射し込む。まどろむ意識の中、眩しさに目を開くことは出来ず、何なら今日は妙に肌寒い。…いや、寧ろ普通に寒い。は身震いして布団の中へもぐりこむ。小さく身じろぎ、隣にある暖かい何かに身を寄せ抱き締めた。
「んん…。寒い………ん…?」
「…やけに大胆だな。」
「え…あれ…?」
何故自分以外の物がベットに有る…否、居るのか。は恐る恐る瞼を持ち上げる。視界に映るのは、意地悪く口角を持ち上げたトラファルガーの顔。そう、自分が今抱き着いたのは、彼だった。の思考が徐々に追い付いてくると、彼女は頬を真っ赤に染める。
「な、なんで私ローさんのベッドに!?」
「忘れたのか?昨日はあんなに気持ち良さそうにしてたじゃねェか。」
「気持ち………っえ、え!?」
正直、記憶に無い。寧ろお酒を飲んで以降の記憶がには無かった。まさか酔ってしまった余り彼に何か変な事でもしてしまったのではないか。そう思うと彼女の顔はサーっと青ざめる。
「わた…私、ローさんに何かしてしまいましたか…?」
「されてねェよ。お前が勝手におれのベッドで、気持ちよさそうに寝こけてただけだ。」
「あ…そ、そういう意味でしたか…。」
ほ、と溜息を着いた。とりあえずベッドから出ようとトラファルガーから背を向けようとした、が…動かない。彼の腕が腰に、背にしっかりと巻きついて離れない。困惑の色を宿したの瞳がトラファルガーを見上げる。
「ローさん…?恥ずかしいから、離して下さい…。」
「断る、寒いんだろう?」
「寒いですけど…!」
「こうしてれば暖かいじゃねェか。」
抱きしめる腕に、力が込められた。密着する身体に最早隙間はない。トクトクと聞こえる、彼の心音。心地よい体温。優しい匂い。心臓の鼓動が早まるのを自覚したは、再び頬を朱に染めた。恥ずかしい、けれど、無性にドキドキする。自分が自分でないようだ。
「ど…どうしてこんなに寒いんですか?昨日までは暖かかったのに…。」
「次の島が冬島なんだろ。もう直ぐに着くだろうな。そこでお前の服も買う。」
「冬島…ってことは、雪も降ってますかね?」
「さァな…だが、この寒さなら降ってる可能性の方が高い。」
「わぁ…!私雪見たことないから、楽しみです。」