【イケメン戦国】武将たちとハロウィン~逆トリップ~
第1章 ~乱世から現代へ~
「みんな楽しそうですね」
信長「甘っちょろい貴様と佐助の影響だろう。
だが、貴様は俺の持ち物ということを、あやつらは未だにわかってはおらんようだな」
「持ち物って言うのも複雑ですけど…毎年、秋になったらここでピクニックや、紅葉狩りに来ましょうね」
ふふっと柔らかい笑みを浮かべると、幸せそうな顔で信長の盃に酒を注ぐ。
信長「考えておいてやる」
信長も満足そうに注がれた酒を飲み干すのだった。
ーーーーーー
「……あれ?何か、眩暈がする。そんなにお酒飲んでないのに」
身体がふわりと浮いたような心地に気付いたは不思議そうに首を傾げると、
幸村「っ!おい!何だあれ!?」
幸村が突然驚いたような声を上げ、空を指差すと、謙信や信長たちも酒を飲む手を止め、空に視線を向ける。
幸村が指し示した方向の空は不気味なほどの黒い雲が広がり、武将たちの元へと近付いてきていた。
佐助「…まさか」
佐助は思いきって自分の眼鏡を外し、黒い雲の方向へ投げると一瞬の内に全員の目の前で眼鏡が消え去る。
「っっ……!!」
佐助「…幸、俺の眼鏡、どうなった?」
幸村「はっ?消えたの見てなかったのかよ、佐助」
佐助「正確に言えば、見てなかったじゃなくて、見えてなかった。という方が正しいかな」
幸村「……どこに向かって話してんだ、佐助」
三成「木、ですね」
幸村「んなこと見りゃわかる。俺はこっちだ」
眼鏡を外した途端、佐助の視界は全くといって良いほど見えなくなっていたため、幸村が呆れたように佐助の肩を引き、自分に向き合わせる。
佐助「あー、ごめん幸村。俺の眼鏡が消えた、ということは…やっぱり」
「えっ!?まさかワームホール?!」
佐助「ああ、おそらく間違いないと思う。多分、俺たちが仲良くしすぎているのが神様には気に入らないみたいだ。俺の研究でもこんな予想外に出現するとは思わなかった」
謙信「…佐助は眼鏡を外すと、人と木の見分けもつかんのか?」
信玄「佐助は眼鏡がないと何も見えないんだな」
の言葉に返事をするべく体の向きを幸村から変えると、真剣な表情で木に向かって話しかけていたのを謙信と信玄も呆れたように告げる。
幸村「もう知らねー」