第11章 銀さん(銀魂)
「最近、銀ちゃん、どうしたアルか?」ソファで寝そべる神楽。
「知らないよ僕は何にも。先週からずっとあの調子で、ボケーっと窓から景色ばっか見てるんですから」
チラチラ見ながら喋りやがって、新八のくせに、耳障りなんだよ。
「だぁぁぁぁああ!!チクショォォォ!!なんでこの俺がここまでしなきゃなんねーーんだよ!!」
椅子から立ち上がった俺は、焦燥に駆られながら玄関へと向かう。
「ちょっ!!銀さん⁈今日もどこに行くんですか!!?」
銀さーーんって叫ぶ新八を無視して、ある女を探しに外へ出かけた。
あの女を見つけるまで、今日は帰らねーって毎日決意しているんだよ。いつの間にか1週間も過ぎちまいやがった。
「何で、見つからねーんだ……」
どーしてこんな事になっちまったんだ?何で見つからねーの?恋は病って言うけどよ。オイ、かくれんぼは止めねーか?銀さん分かったからよ。頼むから、出てきてくれよ……
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あれは丁度、一週間前の事。
居酒屋を出て、ベロンベロンに記憶が飛ぶほど、呑んだ雨上がりの深夜1時頃。
「えどべがす」ていうギャンブル施設で負けまくった腹いせに、アルコールを浴びるほど飲んだんだよ。
思い出しても、むしゃくしゃしてくるぜ、ったくよー。酔っ払ってるからそりゃ、足元はふらつき、よろけるわけよ。家路に向かった最中にふわりと甘い香りがしてきたが、俺には関係ねーから、無視無視。
「銀ちゃん、わたしと良い事しない?」
甘い撫でる声が背後から聞こえてきたからよ「あぁ?誰だこのヤロォ?」と返事をしながら振り返れば、化粧気が強めの、すらりとした美女が立っていたんだ。
「ふふ、こんばんは、銀ちゃん」
「……こんばんは……ってかお前、誰?」
喋りながら思わず息を飲んだのは、風貌が綺麗だったとかじゃねー。その格好が完全にオレを誘った姿だったからだ。もう1人の正直な俺は、すぐに反応しちまった。
「銀ちゃん、待ってたの。わたし、可愛いでしょ?」
目のやり場は非常に困ったわけで……。俺は視線を逸らしながら咳払いをここで一回。
「あ、ああ。カワイイ、うん、カワイイ……」褒めながら目を元に戻した。すんげー……。
色白の豊満な谷間が見えるライトブルーの和服ドレスを身につけ、透き通るような色白い生足を見せながら側に寄る女。