第8章 イタチ。切
花奏は後悔で、顔を歪ませていれば、イタチは横目で鬼鮫を見る。
「……いや、花奏さんは連れてく。この人は暗部にいた人間だ。カカシさんが持つ情報を知っているかも知れない」
「っ!?カカシ?……」
何故、今、カカシの話が?同じ暗部でそのまま上忍に戻っただけの仲なのに、イタチ君は何の話を?
花奏は頭を混乱しながら声を出す。
「……そうですか、なら情報を持っていなかった場合、どうします?その場で殺しますか?」
鬼鮫がイタチ君に淡々と聞く。
「いや、この人は見た目が綺麗だ。役に立つ」
「へぇ……珍しいですね。イタチさんが他人に興味を持つとは驚きですね。ならば、性玩具にでもするおつもりですか?」
クク……と不敵に笑みを浮かべる。
「っ!!……」
「鬼鮫、それでは死んだ方がマシだ」
口だけで笑うイタチは、深く暗い瞳を灯していた。
「いやよ……わ、私に指一本でも触れてみなさい……!舌噛んで死んでやるわ……」
足を震わせ、悲痛に叫べば、鬼鮫が面白そうな顔を浮かべる。
「クク……削りがいいのある女ですね……。干柿鬼鮫です。以後お見知り置きを。しかしまあ、弱そうな人だ。涙を浮かべて怯えていらっしゃる。これが忍の姿ですか?イタチさん、木ノ葉も落ちたものだ……これが上忍ですか?」
嘲笑しながら鮫肌の大刀を肩に置く。
「鬼鮫……、この人を甘く見るな。己を弱く見せているだけだ。実力は、あのカカシさんとほぼ互角だ。ただでは済まない」
きっぱりと断言しながら、花奏を見つめる。
「それはそれは……。では、どうやって連れて帰りましょうか」
その質問は、もう済んでいる。
愚問だ……
イタチが声を発した次の瞬間、花奏は金切り声で叫び出し、暗転して意識を失う。
1秒にも満たない時間。
その1秒もかからない時間。
闇の中では、数十時間。
花奏は、イタチに暗黒の中で抱かれ続け、精神崩壊寸前まで達していた。
身体に忘れないよう
刻み込むように
幾度も幾度も
行為を続けた。
1秒という短い間の中で。